現場の声 2016.07.11

開校当初から見る、トライ式高等学院の変化|吉田真理子先生 No.2

なるほど。確かに、せっかく大学に入学できても周りの雰囲気に合わないために辞めてしまったらもったいないですもんね。その他に、最近の教育現場で感じていることはありますか?

思春期特有の中1、2ぐらいから高1くらいまでというのは、第二次成長期にあたり、体にいろんな変化が起こりますよね。それは成長の過程では当たり前のことだけれど、それがきっかけで引きこもりになってしまう子が結構いるんですよ。
たとえば男の子の場合は、精通があるじゃないですか。自分が大人の男の人になっていくっていう事実を受け止められなくて、それが引き金になって何もかも嫌になったっていうお子さんが結構いるんです。
わたしが公教育で仕事していた時に尊敬していた学校長がいたんですが、その学校長が新入生説明会とかの集会のときにお母さんたちにそのことを必ず言ってたんですよ。子どもがどういう状況なのかよく見てくださいと。性の問題をうまく処理できる子は良いけれど、できない子は自己嫌悪になったり心のトラウマになったりすることがあります。それに気付くことがすごく大事だと言っていました。
女の子でいうと生理ですよね。月経前症候群(※2)を乗り越えられない子や、この頃では生理というものを自分の中で受け止められなくて、「なんでこういう風になるんだろう」と疑問に思って、自分の体なのに自分の体と認識できず、自分を醜いと感じてしまう生徒もいました。
これまで、性の問題はタブー視され、公に言えないからわからなかっただけで、実際には引きこもりやコミュニケーションが取れないことの原因としてこういうことは昔からあったんじゃないかと思うんです。だから、そういうことをお母さんたちに伝えるとすごく理解してもらえるんです。そうすることで、私たちだけでなくお母さんたちにも、生徒を理解する幅ができます。それがお子さまとの距離の取り方を考えるきっかけにもなりますよね。それに、思春期の問題って成長すれば解決するんですよ。だからその解決するタイミングはいつなのかをうまく掴めば自立の背中を押してあげられます。
そういうときにAO入試という形で自分を見直して、自分というコップの中の濁った水を一回全部捨ててあげて、そこに新しい「自分の理想」とか「やりたいこと」という水を入れてあげるお手伝いをしてあげると、大学に入ってからちゃんと自立していけるケースがありますね。これは個別に向き合うからこそできることだと思います。私たちはそういう指導の部分をブラッシュアップして、もっと早い1年生、2年生の段階から進路を考えたり、自分を考えたりという指導をしていけたら良いと考えています。それはわたしの課題ですね。

開校当初から指導方法がどんどん進化していますね。まさに変遷期ですね。

そうですね。これからのことはいろいろ考えています。当初、飯田橋校は生徒5人だったのに対し現在は120人に増え、発展的に成長を続けてきています。飯田橋校だけを発展させていくのではなくて、同じような取り組みができる校舎を各地域に増やしていきたいと思っています。そうすることで、地域に密着した教育を行っていきたいですね。現在は、生徒が校舎を自由に選んで通っていますが、各地域に校舎が増えれば学校区のように地域割りができるようになると思います。そうしたら家の近くの校舎に通えるようになり、地域と連携した教育を実践できると考えています。地域の特色によって輪のでき方や指導の仕方が変わることで、今とは違う形で良い指導ができるかもしれません。
私たちは試行錯誤しながら「トライ式高等学院」を良くしていこうとしています。だからいろんな試みや出会いがあって楽しいです。今は過渡期で、そして今後も変わっていくと思います。トライはもっともっと良い学校になりますよ。

※1 場面緘黙
親しい相手とは話せるのに、学校や幼稚園など社会的の場面で話せなくなってしまう症状。

※2 月経前症候群
月経開始の1週間~2週間前後から起こる精神的・身体的不調のこと。
無気力、憂鬱になりやい、頭痛、めまいなどの症状がある。

(取材日:2013/7/18)

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吉田 真理子 (ヨシダ マリコ)先生

主な担当教科:国語全般/文系科目
トライ式高等学院開校当初から指導しているプロ教師。家庭対応~教科指導まで幅広く対応できるオールラウンドな教師。

不登校・ひきこもりに悩む親御様に、解決から進学までの情報をお届けしています。

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