現場の声 2016.07.11

最近の不登校やいじめの問題は1つの方向からクローズアップしすぎだと思う|坂井秋平先生 No.2

なるほど。では、先生は最近の不登校問題についてどのようにお考えですか。

僕は不登校って特に取り立てるものではないと思っています。社会や周りがネガティブに取り上げすぎなんじゃないでしょうか。それはいじめも同じです。自殺したらその子が可哀相だという観点からばかりスポットライトを当てて、その子自体の問題を見ていない。果たしてその子は可哀相なだけなのか、もっと別の見方もあるだろうと思います。不登校やいじめられてる子を腫物みたいに扱うのではなく、ほかの子と変わりなく扱うべきだと思います。もちろん、ほかの子とある程度関わり方は変えなきゃいけないけど、色眼鏡を外して見ることが大切です。勝手に大人の先入観で子どものことを決めつけて物語を作って、「自立のために何かしてあげなきゃ」という考えがすでに邪魔なんです。問題を解決するためにはその考えを拭い取ることから始まります。大事にしすぎないのもその子のためだと思うし、実際そういう風に扱われるのを嫌がる子が多いです。それに、不登校は自然に解決していくと思うんですよ。大人は勝手に治療法を子どもに与えているけれど、効果の出る治療法もある一方で一概にそういうものばかりではないと思います。生徒はあるとき、きっかけを掴んで成長していきます。そのきっかけも、大人が与えたものとは限らず、いろんなところから受けた影響が蓄積して、ある日脱皮するんです。何がきっかけになるかわからないから、いろんな話をしてあげたり、いろんな世界を見せてあげたりするのが僕の役割だと考えています。いつか生徒が、僕から得たものを持って羽ばたいてくれたら良いと思います。

ありがとうございます。今後の目標や理想の先生像はありますか。

学校の先生でいよう、教育の現場にいようと思っています。あとは、生徒の前でバカになれる先生になりたいですね。とにかく距離を自由自在にコントロールできるようになりたい。ときには近づいて生徒の話を聞いてあげたりして一人ひとりとコミュニケーションを取っていきたいです。僕自身は恩師とかいないし、むしろ先生なんて馬鹿野郎だと思っていました。学生の頃、英語が得意だったんですけど、先生より自分の方ができると思っていたくらいです(笑)。だから、誰かの恩師になりたいと言ったら大袈裟ですが、卒業して何年か経った後、そういえばこんな先生がいたなと思い出してもらえるような教師になりたいです。ドラマとかマンガに出てくる先生みたいにダイナミックなことはできないですが、生徒が成長したときに「先生があのとき言っていたことはここで活きてくるのか」と思ってもらえたら最高ですよね。

そうなれたら素敵ですね。卒業した生徒さんから連絡はきたりしますか。

連絡はきたりするし、自分からも結構連絡します。あんまり会ったりしないけど、メールなどしますね。今いる生徒とは話を聞くためにご飯に行ったりします。ほかの先生より僕は生徒と歳が近いから、相談したりご飯食べに行ったりとかしやすいんだと思います。ご飯を食べに行くのは、あまり人に聞かれたくない話を聞き出すときですね。飯田橋教室はオープンな教室というのが特徴なので、それが良いところなんですがプライベートな話をする場所がなくて(笑)。だから外に出ると生徒も素が出ますね。教室だとよく話す子が外では全然話さなかったりします。きっと教室では気を使っているんでしょうね。でも、外に出て生徒の本当の姿を見たからといって、自分に対して「良くやった」とは思いません。生徒にとってまた1つの経験ができただけと思うだけです。自分が仕事した感を持つと思い上がっちゃうので(笑)。あくまで外にご飯を食べに行くのはコミュニケーションを取るために適しているからです。

それでは最後に、このインタビューを見ている保護者の方やお子さまにメッセージをお願いします。

まず、保護者の方には、家族は最後の拠り所だからその子をちゃんと見て、誰よりも味方になってほしいです。子どもは親にとっての鏡でもあるから、その子の表情で自分がどういう風に接しているかがわかります。だから、そういうところに敏感になるべきだと思います。言葉で伝えなくても、その子のことをしっかりと見て、子どものメッセージをちゃんと受け取れるくらい敏感になってほしいです。また、保護者の方から質問をしていただくこともあるんですが、表面的なことが多いですね。勉強のことでも、「この子はこういう子なんで」と決めつけてしまっていることが多いです。でも「あれ?そうだっけ?」と思うんですよ。結局それって子どものことをよく見てないってことですよね。ちょっと偉そうですけど、やりすぎない程度に修正させていただいています。自分の考えを押し付けてしまう方が多い気がするので、やはり子どものことをちゃんと見てもらいたいです。
子どもには、「今」、「刹那」を大切にしてほしいです。僕が「今」という言葉が好きなこともありますが。過去や未来も大切だけど、そのことばかりにベクトルを合わせると暗い気持ちになってしまうと思います。特に不登校の子は過去に事情を抱えているから、そこを考えないようにしろというのは難しいけど、未来についてだって不安を抱えてしまうものだから、まずは、「今日」でいいんじゃないかと。今日学校に来たあなたがいますよ、というところだけを考えて、未来は「今日の夕飯なんだろう」、過去については「昨日の夕飯なんだっけ」くらいに留めて、まずは今この瞬間を連続していったらその先にきっと何かが待ってるというくらいの考え方で良いんじゃないでしょうか。今っていうのを大事にしよう、今ここに一緒にいられてるじゃないか、話をしている自分が大事じゃないか。それが今の全てで、きみ自身で、それで良いんだよと伝えたいです。

(取材日:2013/7/31)

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坂井 秋平(サカイ シュウヘイ)先生

主な担当教科:英語/文系全般
20代で明るく接しやすい人柄から不登校生徒からの信頼があつい。受験指導も定評。

不登校・ひきこもりに悩む親御様に、解決から進学までの情報をお届けしています。

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