ひきこもりは、挫折したり、逃避したりする状態

ひきこもりは、自立に向かう途中で挫折したり、逃避したりする状態です。きっかけは、友達との仲たがいやいじめ、受験の失敗、親子間の摩擦、職場での不適応など様々で、決定的な原因は特定できません。思い当たることがない場合もあります。
もちろん、社会性やストレス耐性などの性格傾向も関係しています。おとなしくて良い子や内向的な子どもがなりやすいと思われがちですが、社交的で自己主張の強い子もなったりします。不登校と同様に、どんな子どもでも起こりうると言えます。
家庭での親子関係も影響しています。不登校の場合、親の無理解や過度な干渉がひきこもりを招く大きな要因になります。欧米に比べて日本にひきこもりが多いのは、欧米が「子どもの自立」を第一に子育てするのに対して、わが国は「孝」を重んじた「子どもを守る」子育てをしている背景がある、という指摘もあります。
統合失調症、うつ病などの病気も多い
ひきこもりには、外出が不安なだけでなくとてもこわい。また、自分がわからなくなる、被害妄想になる、暴力や自虐行為を自分でも止められない、といった状態になることもあります。かなり多くの人が統合失調症や気分障害(躁うつ病、うつ病)、発達障害、パーソナリティ障害などにかかっているとされています。また、ひきこもりからうつ病などの病気へ移行するケースもあります。これらの場合は、適切な治療が必要となります。
「怠け」や「反抗」と見ないで
ひきこもりは、何をするでもなく家に閉じこもりきりになり、時にはものすごい勢いで反発したりします。親としては「怠けている」、「やはり反抗期か」と決めつけたくなりますが、ひきこもりは「怠け病」ではなく、「反抗期の現れ」だけではありません。